「狛江の放射能を測る会」について 昨年3月11日の福島第一原発の大事故から1年7ヵ月が経過しました。私たちは、原発事故は起きること、事故が起きると、莫大な放射能が大気や海にまき散らされることを知りました。そして、未だに16万人もの方が故郷に帰れずに避難生活を余儀なくされ、被ばくにおびえ、生活に多大の困難をもたらすという大惨事になっています。被災者の生活回復は遅れ、除染・瓦礫処理なども一向に進んでいません。事故原因はいまだ不明で、事故処理作業は高線量の中で困難を極め、毎日のようにトラブルが続いています。それにも関わらず、野田首相は6月大飯原発3号機を、続いて4号機を再稼働させ、夏場を過ぎた今も運転させ続けています。さらに、9月14日に「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」としたエネルギー戦略を打ち出しましたが、その一方で核燃料サイクルを維持するとした全く矛盾する政策をとり、閣議決定では遂に「原発稼働ゼロ」の文言を外してしまいました。10月1日には大間原発(MOX燃料)の建設再開を認め、ひたすら原発の運転継続を目指しているかのようです。 私たちは、こうした状況を踏まえて、狛江市長選挙の時に公開質問状を出し、その回答(公約)を市民の皆さんにお知らせしました。市長就任後、公約の実行を求めて、7月30日を皮切りに数回市長とのやりとりをした結果、10月4日市長との会談に応じて頂きました。ところが、会談はわずか25分で、意見交換は中途半端で終わってしまいました。やむを得ず、10月18日に再び意見書を提出しました。以下、市長との会談の結果についてお伝えします。 1.公約は、脱原発をめざす首長会議(今年4月28日発足。当時の矢野市長は参加)に「参加します」ですが、会談では「参加したい」が「二元代表制であり、市議会の多数の了解を得たい」と言うものでした。私たちは「公約は市長選挙の時の公約であり、市議会とは無関係。公約は『参加します』であり、公約通り直ちに参加」するよう求めました。 2.狛江市の放射能対策について、市長は会談で「12月補正予算でしかるべき計測方法を提案する」としましたが、具体的な話はありませんでした。私たちは空間線量のホットスポット的な問題が市民の計測から現実に提起されていること、今必要なことは保育園・学校などの給食食材の放射能検査を強化することであると説明しました。その途中で時間切れとなり意見交換の無いまま終わりました。 3.大飯原発の再稼働問題では、「原発の安全性が確認されるまで慎重であるべきです」が公約ですが、市長は会談で「反対であるが、二元代表制であり、市議会の多数の了解を得たい」と、第1項と同じ対応でした。私たちは「反対の意思を持っているにもかかわらず黙っていることは、容認することになる」と指摘しました。 私たち「狛江の放射能を測る会」は3台の簡易測定器PA-1000(堀場製)による測定を含め、以下のことを実施し、今後も続ける予定です。関心のある方は気楽にご参加ください。 @ 市内41カ所(内、調布1、世田谷1)での月1回の継続的な放射能測定 (15日に近い木曜日の午前中) A 市民の方の要望に応じた地点での計測(適宜) B 原発とその廃止に関連するあらゆる疑問の勉強会(討論と講演会など) 2012/10/23 連絡先 西尾真人 ?03-3480-7477 |